2011年8月7日日曜日

劇場型詐欺

美容院を営む親戚がオレオレ詐欺にあったという。


信金の店長のおかげで、すんでのところで被害を被らずに済んだとのこと。
それなりに高齢ではあるが、職業柄によるものか若々しく詐欺にかかりそうも無い人ではある。
油断も出来ないものだ。


相手は孫を騙ったという。孫は全員とも男の子だ。うち一人は二十代前半で、ついこのあいだ就職したばかり。ちょうどその詐欺にあった少し前に長野に出張に行くこと聞いていたそうだ。
昼過ぎに電話がかかってきたという。若い男の声で唐突に「JRから電話なかった」と言ってきたそうだ。似た声だったので、特に不審におもわず孫からの電話だと思い話を聞いたそうだ。


それで「JRからなんて電話なかったわよ」と返答した。なんだか様子がおかしい。聞くとどうやら取引先にわたす数十万の小切手をカバンごと電車に忘れてしまったらしい。
取引先は新宿あたりで今向かっている途中であるという。携帯も一緒にカバンと一緒に無くしてしまい、JRには誰もいない自宅ではなく祖母のいる美容院の電話番号を伝えてあるとのこと。
そんなことで10分おきくらいに孫から電話がかかってくる。


すっかり信じ込んでしまっている。就職したばかりの孫が大変なことになっている。とても心配になっているところで、孫が上司と話してほしいといってきた。
上司が言うには急ぎ必要なお金なので建て替えてほしいという。
ご丁寧に、最近は振り込み詐欺とか横行しているので 、お金をおろす際は銀行には本当のことをいわず、家のリフォームとかで使うなどと理由をでっち上げた方が良いとまでアドバイス(?)してくれた。
それで孫にお金を受け取りに向かわせるという。


信金にお金をおろしに行く。窓口でお金をおろそうとする。職員に使い道を聞かれる。アドバイス通りに理由を告げたが信じてくれない。
店長が出てくる。 しかたがなく本当の理由と告げると断言されたという。「それは詐欺ですよ」と。もし本当だったら協力するから通帳を預けてお店て待っていなさいといわれる。
店にもどるとなんだか人の来ていた感じがする。孫(?)が来たにしては早すぎる。
不安に思いながら見せて待っていると、スーツ姿の男が3名店に入ってきた。まず美容院には来ない客だ。



警察官だという。一連のことはやっぱり詐欺であるという。
劇場型詐欺というやつで、近辺で何人かやられているらしい。今回は実際に被害が出なくてよかったが、お金をとられている例も結構あるとのこと。
たとえば詐欺の電話をきいてすぐにATMで預金を引き出し振り込んだ即断即決の年配の男性なんかもいるとのこと。しっかりしているようでも騙されるのがこの劇場型詐欺だという。


金融機関の窓口というのも詐欺との最前線で戦っているわけで、しっかりしているものだ。



不祥事 (講談社文庫)
銀行の窓口の人って結構格好良いよねと思える内容の小説。でも高学歴のエリート候補はダメダメな感じに。 テンポもよく内容も爽快です。