2012年9月24日月曜日

運用とは『運』を『用いる』こと

ストラテジストにさよならを (ゲーテビジネス新書) より。

昔、運用会社で駆け出しのファンド・マネージャーをしていた時代、相場の師匠から図6を見せられた筆者は思わず叫んだ。「なんだ、結局、運頼みなのですか?!」と。師いわく「それは違う。最先端の投資理論などを徹底的に研究しサイエンスを突き詰める。その上で科学では捉えきれない相場の『あや』や機微も含んだ相場観、アートの部分を磨く努力も怠らない。そういう研鑽を一生懸命つまないと『相場の神様』が運を使わせてくれないんだよ。
運用とは『運』を『用いる』ことだからね」。

印象にのこる言葉だ。
運用といえば自分の場合はシステムの運用を指すが、おなじく最終的には運頼みといえなくもない。
なお図6には、運を頂点としたアート・サイエンスからなるピラミッドが書かれていた。これが投資での成功に必要なものとのこと。


本の内容については、自分的には、これまで読んだ投資関連の入門書の集大成の様に思えた。
なぜ長期投資が良いのか?時間分散でリスクは減るのか?などについて書かれており、いままでは、何んとなく無条件に信じていたが、戦略があってこその長期投資だということを認識を改めることができた。
またROE・PER・PBRについて結構ページを割いて書かれている。
おかげで、これまでは、今現在の評価をあらわすものと捉えていたのだが、これによって将来価値を予測するものと覚えた。
いろいろと自分のニーズあっている感があり、薄い割には確りした内容のある本に思えた。


最近、日経に「日経平均VI先物」が革新的な金融商品だと英国の金融誌で評価されたとか記事があったが、この本でもVIX短期先物指標ETF(1552)について触れていた。
高等テクニックとことわりをいれて、具体的に使い方が書かれている。
いい加減な理解だが、下がり局面で短期的に持つと良いようだ。売るタイミングを厳しく見なくとも利益は出せるようだ。これも少し勉強してみよう。


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