2011年4月30日土曜日

ダンテのシェンツァ - 『ルネサンスとは何であったのか』より

ルネサンスとは何であったのか (新潮文庫)より。


ダンテも言っています。考えているだけでは不十分で、それを口であろうとペンであろうと画筆であろうとノミであろうと、表現してはじめて「シェンツァ」になる、と。

続けて、イタリア語の「シェンツァ」(Scienza)は、英語の「サイエンス」(Science)。さらに語源はラテン語のシエンティア(Scientia)。意味は「知識」ないし「理解」と説明があった。より「教養」に近いところかな。
それは、小さなところではお金になったり、大きくは歴史に名が残せるもの。とにかく「アウトプット」が大切だということだろう。最近のビジネス書でいっていることは700年も前から言われていたことなのだ。


レオナルド・ダ・ヴィンチの創作姿勢についての考えも面白い。

レオナルド・ダ・ヴィンチは未完成の創作家と言われるくらいに作品の多くを未完で残した人ですが、彼の場合でも、未完成の理由は二つあると思う。
第一の理由は、(中略)つまりは、表現不可能、と思うしかなかった場合です。
第二は、(中略)制作途中にもかかわらず完成した姿が見えてしまったときです。

もの作りをする人間としては、わかる理由だ。
第一の理由は、技量がなくて諦めるというのは大人の事情といったところ。第二の理由は、ストレートに言えば出来ることが解りきったので飽きてしまったという子供の考えと言ったところだろうか。


0 件のコメント:

コメントを投稿