2010年3月14日日曜日

『早わかりIFRS』より

PHPビジネス新書の『早わかりIFRS』を流読みした。
要点と思えたところをまとめる。

IFRS(国際財務報告基準)

前身は、IAS(国際会計基準)。
IASも広義のIFRSに含まれる。広義のIFRSはIFRSsとも呼ばれる。
EU中心に採用、2012年には日本も含め150カ国以上での採用が予想される。
(EUの企業は、ステークホルダーを、株主や直接の顧客だけでなく地域住民等も含めるなど幅広く捉えている。
例えば、企業メセナ活動などの活発さなどそれをが表している。
そういった特徴からIFRSに繋がっているようだ。)

IFRSは「原則主義」

原則主義は、基本的原則のみを定め、原則に乗っ取って判断する。
日本基準・米国会計基準(FAS)は、「細則主義」。
細則主義とは、事細かに基本原則に加え、詳細規制などこまかに指針が定められている。
規則にないことは対応しない。規則にないことが抜け穴。

「IFRS財務諸表3票」

「財政状態計算書」
構成要素は、「資産」「負債」「資本」。
BSとの違いは、非流動資産(負債)。
固定資産と無形資産を表す。流動資産以外の事。
「包括利益計算書」
PLは、収益から費用を引いて期間損益を重視。
包括利益計算書は「包括利益」を重視。
「包括利益」とは、資産から負債を引いてどれだけ純資産を増やしたかを表す。
「キャッシュフロー計算書
「直接法」と「間接法」があるが、IFRSでは「直接法」を推奨。
ほか関連資料として、「株主持分変動計算書」「注記」「財務諸表に係る全般的な考慮事項と質的特性」がある。

システムへの適用について

現状で出力している財務諸表に、IFRSの財務諸表も加えられるよう2重帳簿の対応が必要。
全てを適用するのではなく必要と判断した所から適用。

感想として

システムの対応は、「工事進行基準」対応程度とは比べられない位大変になるかもしれないと感じた。
資産の算定方式や、そもそも資産として判定基準が変わる。
原則主義により、これまで資産として計上しなかったものも資産扱いになるなど、日本基準で出している数字とかなり違いが出るように思える。

日本基準とIFRSで2重帳簿の対応するという事は、新旧システムの並行運用に近い。
情報処理の教科書の考え方であれば、避けるべき方法をとることになる。
仕事が増えるのは景気が良くなるので歓迎することではあるのだが。

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