2010年7月22日木曜日

自己流メンタルヘルスの犠牲に

ビジネススクールで教える メンタルヘルスマネジメント入門―適応アプローチで個人と組織の活力を引き出すを読んでいる。


ソフトウェア業界では

たぶん鬱などの心の病を煩う人が多いのだと思う。
自分でも、自社・他社を問わず仕事で関わった人がそういった病にかかった例をいくつか見てきた。


難しいのは、その対応である。(本で云うところの適応(促進)アプローチというもの)
当然ながら本当に苦しんでいる人もいれば、「私はうつ」と言いたがる人たち (PHP新書)にもあるが、心の病を怠ける口実にしている人も確かにいる。


会社の経営者(特に小さな会社の)というのは、どうも心の病というのは口実であると考える人の比率が多いように思える。


まともでない開発現場

こういった経験をした。
SESの案件で間に数社入っている状況で、2名の部下を客先に送り出した。
大勢外部のエンジニアを使っている会社なのでまともかと思っていた。だが、そんなことはなかった。
定時後は強制的に30分の休憩をとった事にし実際は働かせていたり、カンヅメと云ったところなのか特定のエンジニア(どうやら目を付けられた人を指していた様だ)は、ひどく狭い部屋で勤務させたりしていた会社だった。


部下の一人は、出来が良くなかったこともあり早くに抜け出した。
だがそこそこの出来で真面目な方は残されてしまい、精神的に参ってしまった。
とりあえず間の営業を通して状況確認も兼ね相談をした。出来たら抜けさせようと思ったのだ。


そこで間の会社の社長からクレームが来た。精神的に問題があると説明したら診断書をもってこいと云う。
持っていったら診断書の内容がおかしいと云う。
さらに何故か説教だ。自分の考えが甘いのだと云う。
曰く仕事というのは大勢の人が関わっているのだから、少々の事で客先引き上げなどというのは皆の迷惑など考えない身勝手な行為だと。


自分の考えでは、その人の云う皆というのは自分の部下の稼ぎに何もせずにぶら下がっているだけの連中のこと。
それは短期間で引き上げになったら儲けも少なく嫌だろう。営業経費で足が出てるかもしれない。
だがことは下手をすると人の命に関わる話だ。
連中の迷惑など知った事ではなかった。


自己流のアプローチ

結果としては、その部下は会社を退職すると云う形で客先を引き上げてきた。
見込みのある部下を失ったことになる。(本人の事を考えれば、もっとひどい状況になる前に抜け出せて良かったといえるが)


そうなった理由として思ったのは、関わった人のメンタルヘルスについての理解が色々と間違っていたからだと思う。
殆どの会社の経営者というのは、メンタルヘルスに関心が無い訳ではない。むしろ人間が好きな人が多いのだから関心は強い。
ただ、そのメンタルヘルス対策は、経験から身につけた自己流・勝手流なだけだ。
正しい知識を身につけ被害者を減らさねば。


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