2010年10月4日月曜日

資産のもった人の贅沢な不安 - わが友マキアヴェッリより

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈1〉 (新潮文庫)より、彫刻家ドナテッロが貰った農場をピエロ・デ・メディチに返すくだり。
農場はドナテッロが生活の心配をせずに創作活動がおこなえるよう贈られたものだった。


「ほとんど三日ごとに、鳩舎の屋根が吹き飛んでしまったとか、納税の為に家畜を処理しなくてはならないとか、嵐になればなったで、葡萄畑がメチャメチャになったのではないか、果樹園はどうなっているだろうかと心配で心配で、気分を安らかに創作に向かうどころではありません。これならいっそ、貧乏な中で死ぬほうがましです。」

宝くじを当たった人が、勤めをやめて今後は運用益で生活しようと思ったが、運用している株やら何やらが値下がりするのではとても心配になり、勤めていた頃よりも将来が不安になった。
今ありうるならこんな感じになるかな。上手く例えられない。
贅沢ではあると思うが、何となく解らなくはない。
芸術家ではないので貧乏して死ぬのは嫌だが。


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