2010年10月15日金曜日

立証責任はつねに、新しい理論を説く側にある - 宇宙創成より

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)から。アインシュタインの重力理論がニュートンの重力理論を打ち破ったあたりの話より。


新しい理論が古い理論を打ち倒したとなれば、古い理論は捨てなければならず、科学のその他の部分までも新理論に合わせて作り直さなければならなくなる。それほどの大変革が容認されるのは、新しいアイディアが現象を正しく記述し、そのアイディアでたしかにうまくゆくことを体制派が心の底から納得したときだけである。言い換えれば、立証責任はつねに、新しい理論を説く側にあるのだ。

科学に限られる話ではなくて、さまざまなことに言える話。
新しいアイディアが正しいのは説く側からみると自明なのだ(と思える)けれど、体制派というのは支持者が多く権威もある。事実を突きつけ納得してもらい支持者側に回ってもらわなければならない。
どれだけ大変な事か。
大変だからこそ、変革を起こした人は次の権威者になるほどの評価を得る事ができる。


体制派を説得するのは、「何故、自分が説明しなければならないのか?」と腑に落ちない思いをする事がある。
だが、立証責任があると言い切られてしまえば、仕方がないと諦められなくもない。


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