2010年5月4日火曜日

投信裁判の話 - 月光! マネー学より

今となっては少し古い本だが月光! マネー学を読んでいる。


長期投資を学ぶにあたって最初に読んでも良い本だと思った。
前半は長期投資の基礎知識として、おなじみの複利効果72の法則ドルコスト平均法などが書かれている。後半は年金保険などの話が書かれている。


興味深かったところは、投信で裁判になった事例の話だ。

月光コラム3
ある投信裁判
ー老証券マンとの対話から
(中略)
そもそも海外では多くの場合、運用会社は独立しています。でも日本では証券会社の子会社として作られた。これがそもそも問題の根源です。証券会社は、投信を売るたびに販売手数料が入る。だからこそ、どんどん投信を乗り換えさせて、そのたびに販売手数料をとって儲けました。

ある未亡人が、証券会社の営業すすめで、たった6年間程度の間に70回以上も投信を売り買えさせられていた。
その結果6000万程の損害が発生したということで訴えを出したというもの。
(裁判の結果は、業界を憂いた投資評論家の上田明之さんの協力もあり、被告側に3800万の支払いを命じる形になったとのこと)


被告の営業はFPの資格も持った30前後の女性だったそうだが、コラムを読んだ限りでは行った事に対し悪びれてもいないように書かれていた。
証券会社が、FPが、知識が豊富でない顧客を食い物にしていたということが、恐ろしいと感じた。


自分の親も、銀行から勧められて信託報酬信託財産留保額などの意味も良くわからないまま毎月決算型の投信を買っていた。
これから資産を殖やすというより、年金みたいなものとして買ったようだ。本人が納得しているので悪くはないと思う。
だが、意味がわからないまま何となく買ったという点ではこの裁判の事例と同じだ。


FPに限った話ではないが、専門知識がある人が自分の利益しか考えない場合も少なくないのだろう。よく言われているようにファイナンシャル・リテラシーを高めてゆく努力は必要だ。


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